運動生理学から見たランニング ミトコンドリアって何?

運動生理学から見たランニング ミトコンドリアって何?

 2011年2月28日第5回東京マラソンが開催され、日本人最高位は市民ランナーの川内優輝さん(23)という結果になったのは記憶に新しいかと思います。

最高の環境がなくても正しいトレーニングの方向性と、その積み重ねさえあれば、記録の向上ができることを証明してくれましたね。このサイトの様々なコラムをしっかり読めば「正しい方向性」は理解できると思います。あとは皆さんがそれをうまく積み重ねるだけです。

前回
は、マラソンなどの長距離種目というのは乳酸が蓄積しない最大強度での競争ということなので、「乳酸が蓄積しにくいからだ」が必要だと書かせていただきました。そこで今回からは、予告通り「乳酸を蓄積しにくいからだ」を作るトレーニング方法をご紹介させていただきます。それには以下の3つアプローチの方法があり、

1. ミトコンドリアの数を増やす
2. 筋トレをする
3. ランニングのエネルギーコストパフォーマンスを高める

です。では1.の「ミトコンドリアの数を増やす」から順番に行きましょう!



ミトコンドリアって何?

 まず、みなさんは「ミトコンドリア」をご存知ですか?言葉は聞いたことあるという方は多いのではないかと思います。しかし、しっかりとミトコンドリアの存在する場所やその機能について知っている方は少ないのではないでしょうか?そこで今回はミトコンドリアについてまずは紹介していきたいと思います。

ミトコンドリアとは細胞の中にある小器官で、主に酸素を使ってエネルギーを生産する役割を担っています。そのことから、ミトコンドリアは「エネルギー生産工場」とも呼ばれています。前回のコラム
で書いた有酸素性のエネルギー代謝はこのミトコンドリアで行われています。すなわち、ランニングで必要とされるエネルギーの多くがこのミトコンドリアという器官の中で作られるのです。ランナーにはミトコンドリアが大切なのですね!

エネルギー作る仕組み

ミトコンドリアは酸素を使ってエネルギーを作り出すのですが、考え方を変えると、ある一定の時間でどれだけ多くの酸素を体の中で消費しエネルギー産生に使えるかが有酸素性運動能力に重要になってくるのです。

1分間に消費できる酸素の最大量を
「VO2max」
といいますが、生理学的にはこの
「VO2max」
の値が高い程、有酸素性エネルギー代謝能力が高いことになり、乳酸の蓄積しはじめる運動強度が高くなると言えます。前回コラム
で書いたように、乳酸が蓄積される強度が高い程、速い速度でずっと走れることができます。

「VO2max」
は1)心臓の機能、2)呼吸器の機能、3)筋肉の有酸素性能力の3つによって決まりますが、「乳酸の蓄積しにくさ」に最も関係するのは、3)の筋肉の有酸素性能力、すなわち筋肉の
「VO2max」
です。

筋肉の
「VO2max」
を高めるためにミトコンドリア一つあたりの能力を向上させるというのも一つの方法なのですが、トレーニングによって向上するその程度には限界があります。なので、ミトコンドリアの数を増やすことが
「VO2max」
を向上させる最良の策なのです。生産量を高めるために、工場1つの効率を上げる事も重要ですが、それよりも工場の数を増やした方が手っ取り早いですよね。

エネルギー作る仕組み

 

次回予告
次回は、ミトコンドリアを増やす方法に入っていきます!


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