ランニング基本情報 ケガ・障害予防とセルフケア

ランニング基本情報 ケガ・障害予防とセルフケア

ランニングブームの中、ビギナーだけでなくベテランのランナーも今一度注目して頂きたいのが、「ケガを起こさないための安全なランニング」です。“ケガ・障害”をしないで気持ちよくランニングを継続できるよう、いくつかポイントを挙げてみたいと思います。



セルフチェックでカラダのメンテナンス

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ケガ・障害予防の観点から最も大切なのは、自分で自分のカラダをメンテナンスすることです。快適なランニング生活を送るために、正しいランニングフォーム、適度な休養の確保など注意することが多くありますが、何より自分のカラダの状態を把握して、必要に応じて正しいセルフケアすることがとても重要です。
カラダの状態を簡単に把握することができる「柔軟性のセルフチェック」を紹介しましょう。

立位前屈テスト

(膝を伸ばしたまま身体を前に倒し指が床に届くかどうか)
このテストで、大腿(太もも)の裏側(ハムストリングス)に伸長痛(痛み)があれば、大腿裏面(ハムストリングス)のストレッチが必要。

大腿四頭筋伸長テスト

(うつ伏せになり、他人に膝を曲げてもらい、踵がお尻に着くかどうか)
伸長痛または踵がお尻に着かないようであれば太腿前面(大腿四頭筋)のストレッチが必要。

ふくらはぎ(アキレス腱)テスト

(立った状態で、片脚を一歩前へ出して少し膝を曲げ、後方の脚は踵を床から離さず、その膝を伸ばしてふくらはぎ(アキレス腱)を伸長し、このとき足首が45°程度反ることができるか、または反れずにふくらはぎに伸長痛があるか)
十分反ることもできず痛みが出現するようなら、ふくらはぎのストレッチが必要。

ランナーに多いケガ・障害

上に挙げた筋はランニングによるオーバートレーニングや着地-蹴り出し時の大きな衝撃によって最も痛めやすい筋群です。太腿後面(ハムストリングス)はオーバートレーニングにより肉離れ(筋線維の部分的断裂)、太腿前面(大腿四頭筋)のオーバートレーニングは、膝関節の障害に大きく関係しています。ふくらはぎ(下腿三頭筋)の短縮を放置したままランニングを繰り返せば、この筋が踵に付着する部分(アキレス腱)に炎症が起きやすくなります。また、太腿の内側(内転筋群)の筋は、ストライドを大きくするためには十分ストレッチする必要があります。

また、ランナーに起こる様々な症状の中でも、代表的なものとして挙げられるのがランナー膝です。初心者は下部、中・上級者は膝皿の奥や外側と、膝の痛む箇所はランナーのレベルによって異なってきますが、ケアを怠ると取り返しのつかないことになることもあります。

膝下部の痛み

初心者に多い症状。主に、筋力不足(大腿四頭筋)・オーバーユースが原因で、着地の衝撃などで膝蓋靭帯に過度な負担がかかることで炎症を起こし痛みが発生。筋力トレーニングや、ゆっくり走ることで足にかかる負担を軽減すると痛みが和らぐ。

膝皿の奥の痛み

中・上級者に多い症状。主にオーバーユースが原因で、太ももの前面が張ることで筋肉が膝皿の奥にある腱を引っ張り、骨が神経を刺激して 痛みが発生。ストレッチやマッサージで筋肉をほぐすと痛みが和らぐ。鋭い痛みを案じたときは、すぐに走るのをやめて念のため病院で診察を受けた方がよい。

膝外側の痛み

中・上級者に多い症状。主に筋力不足(外側広筋、中臀筋)・オーバーユース・姿勢の崩れが原因で、ランナーズニーと呼ばれ、大腿骨と靭帯が擦れ合う状態が続くことで炎症を起こし痛みが発生。太ももの外側や内側をマッサージすることで痛みが和らぐ。しばらくランニングから離れていて、再び走り始めたときに痛みを感じることも多いので、筋力を戻してから走るようにした方がよい。

セルフケアの方法・種類

ストレッチ以外のセルフケアとして最近注目されている手法に、エンダモロジーが挙げられます。エンダモロジーは、吸引、ローラーの回転刺激、リズミカルな振動により、運動前後のケアを行うものです。その絶大なる効果を知っている欧州のアスリートが好んで使用しています。

その他、マイクロカレントという生体内に元々存在する微弱電流を人工的に与えることで、痛めた筋肉や骨を治療する製品も、プロアスリートに利用され高い評価を得ています。
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インソール

近年盛んに使用されているものとして、足の障害予防、改善が期待できるインソールがあります。足は唯一身体で地面と接触している部分であるため、インソールの効果は即効性があり、履いただけで効果が現れるということが最大のメリットです。特に足関節-足部と密接に関係する障害である、アキレス腱炎、シンスプリント、足底筋膜炎、外反母趾等に効果があります。

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ランニングは、小さなジャンプを繰り返し行い片脚で着地することを続けている状態です。そのため、足に生じる衝撃が非常に強く、この時生じる地面からの衝撃を効率的に吸収することが大切です。本来、歩いたり走ったりする時は、踵の中心(やや外側)から接地して、次いで足裏全体に接地面が移動していきますが、足裏全体が接地するときに踵が内側に倒れすぎて、足の内側のアーチ(土踏まず)が大きく潰れてしまうことがあります。このようなタイプの障害は各自にカスタマイズされたインソールを装着することで、足の障害予防、改善を期待できます。このように足の障害には様々ものが存在します。足病学専門の理学療法士に姿勢や動きを評価してもらい、インソールを作成してもらうことをお勧めします。様々なセルフケアの方法を組み合わせて、自分のカラダに合ったメンテナンス方法を身につけることが重要です。