トレーニング前の栄養戦略(1)トレーニング前は食べる?食べない?

トレーニング前の栄養戦略(1)トレーニング前は食べる?食べない?

前回までのランナーに大切な栄養素である糖質の基本を踏まえ、いよいよ実践編に移りましょう。今回は、日々のトレーニング前の栄養戦略についてお話します。



トレーニング前は食べる?食べない?

トレーニングする前に、何か食べておいた方が良いのかどうか、気になるところです。これに対する答えは、状況によって異なります。

状況とは・・・

今回のコラムをまとめ

の3つです。それでは1つずつ説明していきましょう。

①トレーニングの「目的」

 トレーニングの目的を2つに大別するならば、「A.パフォーマンスの向上」と「B.健康作り(ダイエットなど)」になると思います。もちろん両方を目的としている方も多いでしょうが、その場合、どちらに比重を置いているかで考えてみてください。

 第1の目的がAかBかで、トレーニング前の栄養戦略の考え方が少し変わってきます。

 おそらくこれを読んでいる皆さんは、「より長くより速く走れるようになる」ことを目標にして日々のトレーニングをしっかりこなしたいAタイプの方が多いと思います。そこで、今回のコラムはトレーニングの目的を「A.パフォーマンスの向上」として進めていきます。

 (なお、トレーニングの目的をB、特にダイエット(=余分な体脂肪を減らす)とする場合については、今回の栄養戦略と考え方が異なります。それについては「ダイエット」のお話の際にご紹介したいと思います。)

 パフォーマンス向上のために日々充実したトレーニングをこなしたいという場合、後述するトレーニングの「持続時間」と「タイミング」の状況によって、トレーニング前に軽食を摂るか摂らないかを決めると良いでしょう。

②トレーニングの「持続時間」

 トレーニングの持続時間とは、走っている時間はどのくらいかということです。1つの目安としてまずは1時間を区切りにしてみると良いでしょう。

 1時間未満の場合は、トレーニング前の栄養補給はそれほど気にする必要はありません。1時間以上のトレーニングを行う場合には、その前に何か軽食を摂っておくことをお勧めします。

③トレーニングの「タイミング」

 トレーニングのタイミングとは、つまり、トレーニング開始時間がトレーニング前の最後の食事からどのくらい経っているかということです。例えば、13時に昼食を食べ終え、夕食前18時くらいからトレーニングという場合は、昼食から5時間も経過していることになりますから、トレーニング前に何か軽食を摂っておいた方が良いでしょう。

 この場合の目安としては、トレーニング前の最後の食事から4時間以上経過しているかどうかで、軽食を摂るかどうか決めると良いと思います。

*ただし上記の目安は、あくまでも一般的なお話です。これらは個人差もあり、またトレーニングの継続期間によっても変わってきます。ポイントは、トレーニング中の後半のパフォーマンスの低下が気になるかならないかです。現状、特に気にならなければ、軽食を摂るかどうかについてあまりこだわる必要はないでしょう。

食べる内容は?

 では、「軽食」とはどんなものが良いのでしょうか?トレーニング前の栄養戦略の目的はずばり、トレーニングをしっかりこなせる準備をすること。これを具体的に言えば、「筋肉中のグリコーゲンレベルを十分に補充」し「血糖値を正常範囲内にキープしておく」こととなり、やはりキーワードは「糖質」です。

 前回のコラム
のおさらいですが、筋肉中のグリコーゲンは筋肉のガソリン、血糖(血液中のグルコース)は脳のガソリンなので、充実したトレーニングを行うためにはこれらが不足しないようにしておくことが必要です。

 前述した1時間以上のトレーニングや、トレーニング開始時間が食後からかなり経過している場合にトレーニング前の軽食の必要性が高くなるのは、このような条件では、運動中に筋グリコーゲンが不十分になったり低血糖になったりする可能性が考えられるからです。

 このためトレーニング前の軽食には、糖質を多く含むものを選びましょう。糖質を多く含む食品には、主食(ご飯、パン、麺類、シリアルなど)や果物、エネルギー補充系タイプのサプリメント、砂糖を多く含む菓子類・飲み物などがあります。1回の摂取量は、100~200kcalくらいをまずは目安としてみると良いでしょう。

 ここでのポイントは、糖質以外の栄養素の存在です。これらは糖質の吸収をゆっくりにするため、トレーニング前の速やかな糖質補給を考えると、糖質以外の栄養素、特に消化吸収に負担をかける脂質が少ないものを選ぶのがベストです。

具体的には・・・

食べる内容

ということになります。コンビニなどで選ぶ際には、食品の容器包装などに表示してある栄養成分表示をチェックして、まずは全体のカロリー量を、そして脂質含量が少ないことも確認しておくと良いですね。

それでは、今回のコラムのまとめです。

今回のコラムをまとめ



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