ランナーに大切!糖質の基本2 ~糖質の長所と短所を知ろう~

ランナーに大切!糖質の基本2 ~糖質の長所と短所を知ろう~

ランナーにとって大切なエネルギー源となる「糖質」。糖質を正しく理解することがランナーの栄養戦略における最初のステップとなるはずです。前回、糖質エネルギー比は60%を目安にとお話しました。エネルギー源として糖質が一番多く必要とされる理由は、一体何故でしょう?



糖質の長所:もっとも利用しやすいエネルギー源!

前回、3大栄養素の理想的なエネルギー比は糖質60%、脂質25%、タンパク質15%とお話しました。糖質が他の2つに比べて、断トツ多く必要とされるにはちゃんと理由があるのです。

まずタンパク質は、糖質が不足している時や運動時での利用が主となるため、エネルギー源としての役割は大きくありません。タンパク質のメインの役割は、カラダづくりの材料です。

では、糖質と脂質のエネルギー比がこれほど大きく違う理由は何故でしょうか?それは、糖質と脂質のエネルギー源としての特徴の違いからです。

糖質と脂質

まず、糖質の長所「利用しやすい」、つまり「①いつでも」「②どこでも」利用可能という特徴からご説明しましょう。

安静にしている時は大体、糖質と脂質が半々くらいで利用されます。安静時レベルから運動強度が高くなるにつれ、脂質の利用が減り糖質の利用割合が増加します。つまり、「①いつでも」とは、「安静時、および強度・種類に関わらずどんな運動時でも」速やかに利用できるということです。

次に「②どこでも」ですが、これは糖質は「筋肉だけではなく、脳神経のエネルギー源としても利用できる」ということです。脂質は脳神経では利用できません。脳は最も重要な臓器ですから、糖質不足は生体にとってあってはならない状況です。当然、糖質の必要性は脂質より高くなります。

この利用しやすさから、糖質は生体にとって最も重要なエネルギー源であり、故に必要量も多くなるというわけです。

糖質の短所:貯蔵量に限界が… 

しかし、糖質の必要量が多いのには「貯蔵量に制限あり」という短所も理由です。脂質が体脂肪としてカラダの各所に貯蔵されているのに対し、糖質の貯蔵場所は主に下記の3か所に限定されています。また、それぞれの体内での役割も決まっています。

糖質は体内での役割

これらはどれも貯蔵量に限界があるため、消費分は速やかに補っていかないと、カラダは糖質不足に陥ります。糖質不足になると、カラダは筋肉を分解し糖質を生成します。そのため筋量減少の原因にもなり、これは大きな問題です。脂質は利用条件に制限がある代わりに貯蔵量の制限はありません。

つまり糖質は、生体にとって利用しやすいエネルギー源であるにもかかわらず、あまり多く貯蔵できないという2つの特徴から、毎日の必要量が脂質よりも多くなるということになります。

糖質摂取が十分でないと・・・ 

毎日しっかり糖質を摂取することの必要性を示す1つの研究があります。2時間のトレーニングにより減少した筋グリコーゲン量が、高糖質食(糖質エネルギー比70%)では速やかに回復するのに対し、低糖質食(40%)では消費分の補充が間に合わず、どんどん低下していくことが報告されています(Costillら、1980)。

筋グリコーゲンは運動時のエネルギー源のため、このような状態では十分なトレーニングがこなせるはずがありません。ランナーにとって、糖質を毎日しっかり摂る必要性が分かりますね。

筋グリコーゲン

糖質は太るって本当!? 

最後に、糖質についての誤解をといておきましょう。昨今の「糖質抜きダイエット」などのブームで「糖質の摂取は太る」というイメージをお持ちの方が増えたようです。しかしこれは、誤解です。

糖質の貯蔵量には限界があるとお話しましたが、貯蔵量を超えて過剰に摂取された糖質は中性脂肪に変換され体脂肪として貯蔵されます。この仕組みから「糖質=太る」というイメージができてしまったようです。従って、「糖質の過剰摂取は太る」なら正解です。

しかし前述したとおり、糖質は脂質よりも利用されやすいという特徴があります。このため、日々の摂取が適量範囲内であり運動でも消費している限りは糖質の摂取により体脂肪が増えるということは理論上はあり得ません。体脂肪を増やす一番の原因は、やはり脂質そのものです。

繰り返しますが、日々トレーニングを行っている方は、毎日しっかり糖質を過不足なく摂取することが体内の糖質不足を防ぎ、ランナーとしてのカラダづくりのベースとなります。糖質の役割を正しく理解し、むやみに敬遠せず適量摂取をぜひ心がけてくださいね!

それでは、今回のコラムのまとめです。

筋グリコーゲン



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