専門家によるランニング講座 「走れるカラダ」に必要な食事(後編)

専門家によるランニング講座 「走れるカラダに必要な食事(後編)」

速く、長く走ることができるカラダになるためには、アスリートの食事をお手本にするのがお勧めです。多くのアスリートが実践している、とっておきの食事法をご紹介します!



アスリートの食事の秘訣“欠食をしない”理由とは…?

専門家によるランニング講座 アスリートの食事の秘訣

運動時に消耗される主なエネルギー源は、筋肉中のグリコーゲン(糖質)という物質です。もう1つのエネルギー源である脂質とは異なり、グリコーゲンは体内で貯蔵できる量に限りがあります。

トレーニングで消耗した分は、食事で補充しなければ、いつまでたっても回復しません。また日々のトレーニングで消耗した筋肉や、エネルギー産生反応に使われた酵素などの材料なども供給する必要があります。

食事で摂取できる量や、消化管での吸収量にも限界があるため、これらを補うために必要とされる量をとるには、結果的に1日3回の食事が必須となります。2食や1食では、「走れるカラダ」作りや必要な栄養摂取量をクリアすることが難しいのです。

このため、トレーニングをしている人は3食が原則となり、トレーニングの内容や量が増えるにつれ、3食だけではとりきれない分を、さらに間食で補う(補食)必要性もでてきます。また同時に、カラダに常に必要な栄養が満たされていることも重要なため、この3食を「規則正しく食べる」こともポイントです。

アスリートの食事の秘訣“バランスよく食べる”理由とは…? 

先にもお話いたしましたが、栄養素の基本は「糖質、脂質、タンパク質、ミネラル、ビタミン」の5大栄養素ですが、これらの働きを最大限に引き出すためには、各栄養素がバランスよく存在していることが必要です。

例えば、筋肉づくりに直接的に必要な栄養素はタンパク質ですが、糖質が不足していると、タンパク質がその代わりを果たすメカニズム(糖新生)が働き、筋肉作りに専念できません。筋肉をつけたいのならば、適量の糖質の存在も必要となります。また骨づくりに必要なカルシウムや、血液の材料となる鉄などのミネラルは、吸収率が低い栄養素ですが、あるビタミンと一緒にとることによりその吸収率を高めることができます。

それぞれの食品には、含まれる栄養素に特徴があるため、各栄養素をバランスよく同時にとるためには、ある食品に偏ったとり方は適しません。「1日30品目」と言われますが、色々な食品をまんべんなく食べる必要があるのは、この理由のためです。

しかしそうは言っても、毎食栄養素のことを考えながら食事をするのは、なかなか難しいのが現実。そこでお待たせしました!前回お話した「あるルール」の登場です。これは、私たち栄養士が、強くなりたいアスリートに最初に紹介する、簡単にバランス良く食べることができる方法のことです。

その方法の名は「栄養フルコース型」の食事と言います。これは毎食、A.主食、B.主菜、C.副菜、D.果物、E.乳製品の5つの食品を揃えることをルールとした、いたってシンプルな食事法です。それぞれに属する食品群を覚える必要はありますが、これさえ覚えておけば、各食品に含まれている細かい栄養素まで気にしなくても、自然と栄養バランスの良い食事ができるようになるので、非常に実践的で便利な方法です。

現役アスリートほどトレーニング量が多くはない皆さんは、アスリートと同じに毎食5つ揃えてしまうとカロリーオーバーが心配ですので、皆さんはこれをアレンジして、「毎食A.B.C.を揃え、1日1回D.E.をとる」方法が良いでしょう。

専門家によるランニング講座 アスリートが実践「栄養フルコース型」の食事

前回ご紹介したコンビニ食は、どちらもしっかりこの5つが揃っています。このためどちらの内容も、「走れるカラダ」作りに適した、栄養バランスが整った食事となっています。

専門家によるランニング講座 アスリートが実践「栄養フルコース型」の食事

今の季節、具の種類が豊富なおでんは、足りないものを補うために、非常にお勧めのメニューですよ!

バランスの良い食事の基本は、この栄養フルコース型の形になります。あとは目的、状況に応じて、特に必要な栄養素を含んでいるものの量を増やすなどして、5つの量を調節すればOKです。

次回以降は、この栄養フルコース型の食事を基本にしながら、トレーニング前(大会前)、トレーニング後(大会後)に適した食事のとり方を、科学的知見もふまえながらご紹介していきます。

次回予告
皆さんは、日々のトレーニング前の食事はどうしていますか?食べた方が良いのか、はたまた食べない方が良いのか、きっと悩むところではないでしょうか?大会前の食事選びはどうでしょう?さらに気になるところです。

考え方としては、「何を一番の目的にするか」から考えるとシンプルです。トレーニング前の一番の目的は、「トレーニングをしっかりこなせる準備をする」こと。大会前なら、これまでのトレーニング成果を生かし、「最高のパフォーマンスを発揮するための準備をする」ことです。

これら目的を達成するために必要な栄養素とは…?食事とは…?タイミングとは…?こう考えていけが理解しやすいはず。次回はこのテーマについてご紹介いたしますので、お楽しみに!!


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